女子バスケットボール選手の膝関節動揺性と全身関筋弛緩性との関連性

書誌事項

タイトル別名
  • THE RELATIONSHIP BETWEEN KNEE LAXITY AND GENERAL JOINT LOOSENESS IN FEMALE BASKETBALL PLAYERS
  • 女子バスケットボール選手の膝関節動揺性と全身関節弛緩性との関連性
  • ジョシ バスケットボール センシュ ノ シツカンセツ ドウヨウセイ ト ゼンシ

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抄録

本研究は大学生女子バスケットボール選手のメディカルチェックにおいて計測した膝関節の前方動揺性と全身の関節弛緩性との関連性を検討したものである.<BR>膝関節靱帯損傷の既往のない大学女子バスケットボール選手34名68膝を対象とした.膝関節の前方動揺性は, MED-metric社製KT-2000Knee Ligament Arthrometerを使用し, 脛骨に201bの前方引き出し力を加えた時の脛骨の前方移動量を測定した.関節弛緩性 (joint laxity score) は中嶋らによるjoint laxity test (全身6大関節+背柱, 7.0点満点) にて点数評価した.<BR>今回の測定によって得られた全被検者の201bの前方引き出し力における前方移動量の平均値は右膝3.8±1.6mm, 左膝3.2±1.5mmであり, joint laxity scoreの平均値は3.2±2.0点であった.前方移動量とjoint laxity scoreの各々の順位相関係数は右膝で0.48 (p<0.01) , 左膝で0.54 (p<0.01) でありともに有意な正の相関関係を示した.<BR>本研究の結果により, joint laxity scoreが高い者は前方移動量の値が大きいことが示された.したがって特別な測定機器を使用することなく簡易に測定することのできるjoint laxity testは, 膝関節前方動揺性が大きい者を検出し, ACL損傷のリスクの高いと思われる者を検出するのには有効な方法であると考えられる.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 46 (3), 273-278, 1997

    一般社団法人日本体力医学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (11)*注記

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