フルマラソンレース後のマグネシウム (Mg) 代謝

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タイトル別名
  • MAGNESIUM METABOLISM AFTER A FULL-MARATHON RACE
  • フルマラソンレースゴ ノ マグネシウム Mg タイシャ

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説明

長時間運動後にみられる血清Mg濃度の低下の一因として, 尿中Mg排泄の増加が挙げられるが, 長時間運動時の内分泌機能変化との関連が予測された.そこで, 走歴4~10年の中高年ジョギング愛好者6名を対象に, フルマラソンレース参加後1週間にわたって血液および尿成分変化を観察し, レース後のMg代謝動態について調べた.その結果, レース直後に有意なsMg濃度の低下がみられたが, uMg排泄の増加は認められず%TRMgは亢進していた.また, レース後に上昇を示したACTH, CortiおよびGHと, sMgおよび%TRMgとの間には関連性が認められず, これらのホルモンがMg動態におよぼす影響は少ないことが示唆された.一方, レース後にみられたFFAの上昇から, 脂質代謝の亢進が示唆され, 脂肪細胞でのMgの取り込みがsMg低下の一因と考えられた.以上より, 長時間運動によるsMg低下は, 生体からのMgの喪失を示すものではないことが示され, また一時的なsMgの低下が尿細管でのMg再吸収を促進させていることが示唆された.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 47 (2), 221-229, 1998

    一般社団法人日本体力医学会

参考文献 (30)*注記

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