前腕部屈伸運動の再現性について

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タイトル別名
  • A STUPY ABOUT MOTOR-RETENTION OF THE FLEXION AND EXTENSION OF THE FORE-ARM
  • マエ ウデブ クッシン ウンドウ ノ サイゲンセイ ニ ツイテ

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抄録

前腕部の屈伸運動による原学習をおこなった後, ショート・タームな運動の再現学習を実施し, 前腕部 (末梢部) を中心とする運動再現特性の基礎資料を得た。運動リズム, 負荷量, 運動距離等の条件変化による再現状態への影響を検討し, データーの相関関数的解析方法によって以下のような結果を得た。<BR>1.前腕部の屈伸運動の再現状態の評価には, 原学習時と再学習時の運動パターンの相関関数的手法が有効で, 定量的に解析可能となった。<BR>2.末梢部を中心とした再学習でのショート・ターム・メモリーは心理学的研究の言語, 記憶学習におけるロング・ターム・メモリー時に生じるレミニセンスと反対の様相である。<BR>3.運動リズムの再現には, 目標リズムより遅いリズム, 即ち全周波数時の値を平均して約0.05Hzのおくれを生じた。<BR>4.再学習時の運動利得は, 0.8Hzの速い運動リズムや, 0.5kgの負荷が与えられた時に, 原学習時と変らぬ利得を示し, 運動利得の良好な再現性を示した。<BR>5.把持率 (偏差率) よりみた再現状態は, 再現経過時間とともに, その率は減少し, 正確性が低くなった。また, 再学習時の運動リズムが0.1Hzから0.8Hzと速くなるに従がつて, 目標リズムに合致した再現運動リズムがあらわれ, 適確な再現状態がみられた。<BR>6.屈伸運動距離を短かくすると再現性は, 向上するが, 記憶上の至適な距離は, 6cmと3cmのほぼ中間と考えられた一<BR>7.身体運動の再現性について運動上のショート・ターム・メモリーの立場から考察を加え, 現場への応用の基礎資料を得た。

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 25 (2), 71-77, 1976

    一般社団法人日本体力医学会

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