上腕骨頭後捻角度の影響を除いた肩回旋可動域の計測法: 成長期投球障害肩の1評価法

  • 河上 剛
    大阪医科大学生体管理再建医学講座整形外科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Glenohumeral range of motion,excluding side-to-side differences in humeral retroversion: An evaluation for throwing shoulder in a growth phase

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説明

成長期野球選手における肩軟部組織の病態を評価するために, 上腕骨頭後捻角度の影響を除いた肩回旋可動域の計測法 (本法) を考案し, その有用性について検討した. <br> まず, 本法と日本整形外科学会が規定する肩回旋可動域の計測法 (学会法) の級内相関係数を求めた. 次いで, 両法を用いて高校野球選手32人 (投球競技群) と, 投球競技歴のない高校サッカー選手20人 (非投球競技群) の肩回旋可動域を計測し, 比較検討した. <br> 両法の級内相関係数は同等であり, 高い再現性が得られた. 投球競技群では, 学会法を用いると投球側の外旋可動域は増大し, 内旋可動域は減少していたが, 本法を用いるとその差はなかった. 非投球競技群では, 両法を用いた肩回旋可動域は, いずれも左右差はなかった. <br> 学会法を用いた肩回旋可動域には上腕骨頭の後捻が影響するため, 野球選手の肩軟部組織の病態をより正確に評価するためには, 骨性要素の影響を除いた本法が有用である.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204927009408
  • NII論文ID
    130004056350
  • DOI
    10.11359/chubu.2012.1
  • ISSN
    13490885
    00089443
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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