非外傷性脊髄硬膜外血腫の2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Spontaneous Spinal Epidural Hematoma

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抄録

当院で近年経験した脊髄硬膜外血腫の2症例を報告・検討する.【症例1】15才男性.早朝の項部・右肩甲部の一過性の疼痛が2日連続あり,受診.四肢深部腱反射亢進以外の神経学的異常所見を認めなかった.MR検査で,C6~Th1レベルまで硬膜外腔背側に圧迫性病変を認めた.経過観察中に自然吸収された.造影MR検査では血管腫などの異常所見はなかった.【症例2】79才女性.既往に高血圧症あり.早朝に腰痛と両下肢麻痺,膀胱直腸障害で発症.MR検査で,Th12からL4レベルの硬膜外腔背側に圧迫性病変を認めた.発症16時間後に血腫除去術を行った.術後高気圧酸素療法も行った.発症後3ヶ月で,Frankel分類はBからDに改善していた.脊髄硬膜外血腫はこれまで緊急手術の対象とされてきたが,近年自然治癒した症例報告が散見される.一過性の疼痛のみで,運動障害・膀胱直腸障害を呈さない症例の報告は他にも渉猟しえたが,緩徐に進行する症例の報告もあり,十分な経過観察を要する.

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