不安定性を呈した陳旧性圧迫骨折の検討―64列マルチスライスCTを用いて―

  • 小林 哲彦
    医療法人財団池友会小文字病院脊髄脊椎外科
  • 西田 憲記
    医療法人財団池友会小文字病院脊髄脊椎外科
  • 小川 浩一
    医療法人財団池友会小文字病院脊髄脊椎外科
  • 高橋 雄一
    医療法人財団池友会小文字病院脊髄脊椎外科
  • 中原 誠之
    医療法人財団池友会小文字病院脊髄脊椎外科
  • 土方 保和
    医療法人財団池友会小文字病院脊髄脊椎外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Great Number of Old Vertebral Fractures Expressing Instability are Pedicle Fractures: With the Use of 64-line Multi Slice Computerized Tomography
  • ―64列マルチスライスCTを用いて―

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抄録

脊椎圧迫骨折患者の中には,椎体圧潰による遅発性神経麻痺を来す例や,偽関節となり背部痛が持続する例が存在する.2006年4月から12月までに当科にて治療を行った圧迫骨折症例のうち,不安定性を呈した陳旧性圧迫骨折15例を対象とし,64列マルチスライスCTを用い検討した.男性5例,女性10例,45~83歳(平均72.6歳),受診までの期間1ヶ月~2年(平均約205日),BMD 0.577~1.525g/cm2(平均0.804g/cm2),受傷機転は不明10例,転倒4例,転落1例,罹患部位はTh12 7例,L1 5例であった.椎体内ガス像12例,水分貯留3例,脊柱管内への椎体突出が5例にみられた.マルチスライスCTにて詳細に検討すると,前方要素と後方要素をつなぐ椎弓根基部骨折を12例73%に認めた.持続する腰痛の原因は前方要素の不安定性のみではなく前方と後方要素をつなぐ椎弓根部での不安定性も関与していると考えられた.

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参考文献 (8)*注記

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