前側方進入法における大転子骨折の問題点

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  • Fracture of the Greater Trochanter in Total Hip Arthroplasty Using the Anterolateral Approach

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前側方進入を用いた人工股関節置換術(THA)の術中,術後に生じた大転子骨折について調査し,その問題点を検討した.2000年1月から2008年12月までの間に行った258例の前側方進入を用いた初回THAを対象とした.大転子骨折は6例(2.3%)に生じていた.大転子骨折は,術中3例,術後しばらくして判明が3例であった.6例の手術時平均年齢は62歳(52~76歳)であった.術中に生じた骨折はすべて斜骨折で,骨接合を行ったが,wiringのみを行った症例で再転位を生じ,後方脱臼を起こした.術後に判明した3例はすべて横骨折で,経過観察を行ったのみであるが,問題を生じなかった.皮切を小さくした前側方進入では,大腿骨操作時に大転子骨折を生じないように注意深い操作が必要である.大転子先端部の横骨折は,問題を生じないが,外旋筋群を含む斜骨折の場合には,後方不安定を生じやすく,確実な骨接合術が必要である.

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