腰椎手術後に頭蓋内出血を生じた1例

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タイトル別名
  • A Case of Intracranial Hemorrhage Following a Incidental Dural Tear during Lumbar Spine Surgery

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抄録

腰椎の手術後に頭蓋内出血を来たした1例を経験した.症例は65歳女性.他院にてL3/4,4/5の部分椎弓切除術の既往あり,右下肢痛の再燃のために当科を受診した.腰椎MRI上,L4/5右側に椎間板ヘルニアを認め,L4/5 PLIFを施行した.術中に前回手術時の瘢痕組織上より硬膜を損傷し,少量の脳脊髄液流出を認めた.創閉鎖前に用手的胸腔内圧加圧試験を施行したが明らかな髄液の流出を認めず,損傷部は縫合せずに手術を終了した.術当日の経過は良好であったが,翌朝,頭痛,嘔吐の後,意識消失が出現し,頭部CTにて急性硬膜下血腫ならびに小脳出血を認めた.緊急開頭手術を行い,最終的には意識レベルも清明となり右下肢痛も軽快し独歩にて退院した.開頭手術時の所見にて外傷性や特発性の硬膜下出血は否定的であり,腰部髄液漏による低髄液圧から脳ヘルニア,硬膜下の静脈性出血へと至った可能性が推察された.

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