肩腱板縫合術後に金属アレルギーを生じた1例

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説明

50歳,女性.アレルギー疾患の既往はなし.右肩石灰沈着性腱板炎に対し鏡視下石灰摘出および腱板縫合術施行.腱板縫合には2個のチタン製金属アンカーを使用した.術後3週目より顔面,体幹および手指の皮疹と著明な掻痒感が出現.抗アレルギー剤内服,外用等で経過観察するも症状は改善しなかった.術後6カ月目で金属アレルギーを疑い,パッチテストを行ったが陰性であった.患者の同意を得て初回手術後より7カ月目に,ミニオープン法下にアンカー抜去ならびに腱板再縫合術を施行.手術時,特に異常所見は認めなかった.アンカー抜去後2日目より皮疹と掻痒感は消失し,再手術後から2年の現在,肩関節痛,可動域制限は認めず腱板修復状態も良好である.金属製アンカーを用いた腱板縫合術後,長期にわたるアレルギー様反応が生じた際は,例えパッチテストが陰性であったとしても金属アンカーの抜去を考慮すべきかもしれない.

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