腰部神経根症状を呈し椎間板ヘルニアとの鑑別診断に難渋した腰椎椎間板嚢腫の2例

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抄録

<p>我々は椎間板ヘルニアに類似した症状を示す,腰椎椎間板嚢腫の2例を経験した.2例とも腰痛と片側下肢痛が主訴で,神経根障害を呈していた.MRIで腰椎硬膜管内に片側神経根を圧排し,椎間板に連続するT1強調画像でlow-intensity,T2強調画像でhigh-intensityを示す嚢胞性病変が認められた.1例は造影MRIでrim enhancementを呈し,discal cystに類似した.もう1例は画像上,椎間板変性が高度でCTで嚢胞内にガス像が認められた.2例とも手術治療を行い,椎間板に連続する嚢腫の摘出を行った.術後症状は消失した.被膜化されて発生する腰椎椎間板嚢腫は自然消失しにくいことが予測され,手術治療を念頭におき診断治療をすすめる必要がある.</p>

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