肩関節に発生した色素性結節絨毛性滑膜炎(PVS)の2例

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色素性結節絨毛性滑膜炎(以下PVS)は比較的稀な疾患で膝関節に発生することが多いが,今回,我々は肩関節に発生したPVSの2例の治療を経験したので報告する.症例1,81歳女性,症例2,76歳男性.両症例とも誘因なく肩痛,肩腫脹をきたし,近医での穿刺にて血性関節液を認めPVS疑いにて紹介となった.MRIで両症例とも関節液貯留と滑膜組織があり,症例2は広範囲腱板断裂を認めた.症例1は鏡視下滑膜切除を行った.症例2は変形性関節症を認めたので鏡視下滑膜切除を行い,広範囲腱板断裂用上腕骨人工骨頭置換術を一期的に施行した.術中に摘出した滑膜の病理診断では2例とも滑膜にヘモジデリン沈着を認めPVSとの診断であった.PVS治療後の再発の報告が散見されるが,今回の症例はそれぞれ術後20ヵ月,9ヵ月時点での再発なく経過良好である.

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