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抄録
腰椎手術後ドレナージチューブによる硬膜損傷2例経験したので報告する.症例1.80歳女性.術中硬膜損傷はなくドレナージチューブを留置した後,急激に出血性浸出液が増加したため,術野を確認すると硬膜は裂傷しており,髄液は漏出し馬尾が噴出していた.術後覚醒せずてんかん発作を繰り返したため,脳外科に搬送.CTにて気脳症の診断.術後6時間で意識は徐々に回復した.症例2.81歳男性.術中硬膜損傷はなく同様のチューブを留置し閉創終了.術後激しい腰痛,右臀部痛出現.術後12日目髄液漏疑いで再手術を行なったところ,硬膜裂傷及び馬尾神経の噴出を認めた.今回使用したチューブは縦に二本のフラップを有しており,硬膜,クモ膜がスリットの中に陰圧で吸い込まれ損傷した可能性が高い.髄液漏の持続吸引にて脳ヘルニアや脳出血を呈したという報告もある.ドレナージチューブを硬膜の上に直接置かないなどの対策が必要と思われる.
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 62 (2), 261-265, 2013
西日本整形・災害外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204940835840
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- NII論文ID
- 10031160463
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- NII書誌ID
- AN00126582
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可