恒久性膝蓋骨脱臼を伴う変形性膝関節症に対し人工膝関節置換術を行った1例

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恒久性膝蓋骨脱臼に伴う変形性膝関節症においてリアライメント手技を行わず人工膝関節置換術(TKA)を施行し良好な経過を経験したので報告する.症例は61歳女性,13歳の時に膝関節炎を患ってから膝の外反変形・恒久性膝蓋骨脱臼が出現.膝の不安感・違和感・下肢筋力低下を主訴に当科初診.初診時疼痛は中等度で,可動域(ROM)は0-130度,エクステンションラグは10度,徒手筋力テスト(MMT)は3レベルだった.膝蓋骨が膝関節全可動域で外側脱臼し整復困難だった.レントゲンでは大腿脛骨角(FTA)157度,外側型のOAを認めた.手術は外側傍膝蓋骨進入法で展開,外側は膝蓋支帯全切離と腸脛靭帯をガーディ結節で剥離した.人工膝関節はPS typeを使用した.膝蓋骨のトラッキングは良好だったため,脛骨粗面内側移行術は行わなかった.術後翌日よりROMエクササイズ・全荷重での歩行開始.術後4か月で杖なしで歩行可能となった.術後3年の現在も脱臼なく経過は良好である.

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