外傷後片麻痺患児の患側DDHに対し,生後7ヶ月よりRb治療を行った1例

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抄録

【はじめに】乳児DDHでは,生後3ヶ月頃から寝返りを行うまでの期間(6ヶ月頃)にリーメンビューゲル(以下Rb)治療を行う事が多い.今回,頭部外傷後の片麻痺と同側のDDHを生後7ヶ月時に指摘し,Rb治療を行った症例を報告する.【症例】生後6ヶ月時に頭部外傷受傷し左片麻痺を発症.生後7ヶ月時にリハビリ目的に当センター紹介となった際,左DDH(脱臼)と診断した.入院後Rb治療を開始し骨頭は整復された.整復後まもなく寝返り可能となったが,約8週間のRb治療を行った.整復後14ヶ月の現在,骨頭の求心位・臼蓋形成は良好である.【考察】DDHに患側麻痺を合併した場合,治療方針に迷う事が多い.Rb治療の適応決定には,月齢・運動発達に加え,麻痺の病型・病期も考慮する必要がある.今回,外傷により発達の遅れや弛緩性片麻痺を認めたDDH患児に生後7ヶ月時よりRb治療を行い,短期ながら良好な経過となった.

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