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説明
<p>【はじめに】近年人工関節置換術後の感染が問題視されているが複数関節の同時感染は稀である.今回右股,右膝人工膝関節の2関節に同時感染を来した1例を報告する.【症例】61歳男性,4年前に他院にて右TKAを施行された.当科にて右急速破壊型股関節症に対しTHA施行後,術後約半年で右股関節・右膝関節に疼痛・腫脹が出現,右膝前面より排膿を認めた.右股・膝関節の関節液及び血液培養よりMSSAが検出され2期的再置換術施行した.経過中に炎症反応が弱陽性で遷延し全身の感染源を検索したところ,口腔内に状態不良な残歯根が多数存在した.当院歯科口腔外科にて8本の抜歯術を施行され,その後沈静化が得られた.【考察】過去の複数関節同時感染症例の報告では感染経路として遅発性の血行性感染が多い.本症例は残歯根から口腔内のMSSAが血行性に右股・膝関節へ感染したものと思われ,術前後の口腔内環境評価の重要性を示唆する症例であった.</p>
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 67 (1), 175-180, 2018-03-25
西日本整形・災害外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204941055872
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- NII論文ID
- 130006743255
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可