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- 倉茂 好雄
- 宇都宮大学学芸学部生物学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- Seasonal prevalence of mosquitoes at a goat-house in Utsunomiya City
- 宇都宮市の山羊舎における蚊の季節的消長
- ウツノミヤシ ノ ヤギシャ ニ オケル カ ノ キセツテキ ショウチョウ
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説明
1951年6月から11月まで, 宇都宮市郊外の1山羊舍において, 吸虫管を用いて蚊の採集を行なつた.採集場所は一帯に平坦地であつて, 近辺には蚊の発生する小水域があり, 遠くには水田が存在する.1) 採集された蚊は総計3属8種2, 413個体で, このうちC. tritaeniorhynchusの27.6%が最も多く, A. sinensis (21.4%), Ar. subalbatus (20.0%), Ae. vexans nipponii (17.2%), C. pipiens (12.6%)等これに次ぐ.これを従来の山羊舍における蚊の採集成績と比較すると.著者の成績ではC. tritaeniorhynchusの採集率が比較的小さく, これに反してAr. subalbatusが従来の報告に見られないほど多数採れている.2) 採集された蚊のほとんどすべてが雌であつて, 雄はわずかに全体の0.2%にすぎない.3) C. tritaeniorhynchusは6月中旬に少し採集され8月中旬最高頂に達し, 9月中旬に姿を消す.4) A. sinensisは6月中旬に少し採れ, 7月下旬から8月上旬にかけて最高頂に達し, その後第2の山を示し10月中旬に消失する.5) Ar. subalbatusは6月中旬にはすでにやや多数出現しており, 7月末, 8月末, 9月末にそれぞれ山を示すが最後の山が最も大きく, 11月に姿を消す.6) Ae.vexans nipponiiは6月中旬すでに最高頂に達し, その後は大体少数ずつ連続して出現し, 10月中旬に姿を消す.7) C. pipiensは6月中旬に少し採れ, 7月下旬に最高頂に達し, 秋に暫時採集されないときもあり, 11月に姿を消す.8) C. bitaeniorhynchusは出現期間が短く, 7月下旬から9月末まで少数ずつ連続して現われるが, 8月中・下旬に比較的多い.9) 全体の蚊としての最盛期は7月下旬から8月いつぱいであるが, 各種の蚊の最盛期の出現には時期的に若干のずれがみられる.本報要旨は第6回衛生動物学会において紙上発表したが, 今回の報告では採集個体数を追加修正した.なおこの調査において, 蚊の吸血率についても調べたが, この結果は医学と生物学, 55(3)に発表した.採集に御協力 : された赤羽記年, 大川昇三両氏に深く感謝する.
収録刊行物
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- 衛生動物
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衛生動物 11 (3), 101-106, 1960
日本衛生動物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204943468288
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- NII論文ID
- 110003820602
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- NII書誌ID
- AN00021948
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- ISSN
- 21855609
- 04247086
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- NDL書誌ID
- 8997639
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可