琉球列島産 Anopheles saperoi 二亜種の形態分類学的研究

  • 比嘉 由紀子
    琉球大学医学部保健学科環境保健学教室:長崎大学熱帯医学研究所生物環境分野
  • 當間 孝子
    琉球大学医学部保健学科環境保健学教室
  • 宮城 一郎
    琉球大学医学部保健学科環境保健学教室:琉球大学医学部地域医療研究センター
  • MALENGANISHO Wabyahe L. M.
    琉球大学医学部保健学科環境保健学教室:タンザニア国立医学研究所
  • 高木 正洋
    長崎大学熱帯医学研究所生物環境分野

書誌事項

タイトル別名
  • Morpho-taxonomical studies on two subspecies of Anopheles saperoi (Diptera : Culicidae) from the Ryukyu Archipelago, Japan
  • Morpho-taxonomical studies on two subsp

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説明

琉球列島の沖縄本島産An. s. saperoi(以下サペロイ)の亜種である西表島産An. s. ohamai(以下オオハマイ)の分類学的地位を明らかにする目的で, サペロイとオオハマイの形態の比較研究を行った。1993年10月から1996年8月までの間に沖縄本島と西表島で採集したサペロイとオオハマイの標本を用い, 両亜種の区別点である成虫の翅の前縁脈上の中白斑と先白斑の長さの季節変化, 幼虫, 蛹の形態を調べた。又, サペロイを供試蚊として日長や温度が翅の形態に及ぼす影響を調べるために室内実験を行った。その結果, 成虫の翅, 幼虫, 蛹のいずれの形態でも両亜種を区別することはできなかった。室内実験の結果, 両亜種の重要な区別点である先白斑や中白斑は日長や温度に影響を受けて長さが変わることが明らかになり, これは, 野外採集標本において, 白斑の長さが季節的に変動していることを支持する結果であった。以上の結果よりオオハマイはサペロイのシノニムであると結論するに至った。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 49 (3), 207-216, 1998

    日本衛生動物学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (21)*注記

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