-
- 辻 英明
- 三共株式会社農薬研究所
書誌事項
- タイトル別名
-
- Development of the smoky brown cockroach, Periplaneta fuliginosa, in relation to resistance to cold
- 耐低温性に関連したクロゴキブリの発育〔英文〕
- タイ テイオンセイ ニ カンレンシタ クロゴキブリ ノ ハツイク エイブン
この論文をさがす
抄録
昆虫には越冬前に特定のステージで発育停止, すなわち休眠に入り, 耐寒性を増加させ, そのステージに特異的な水分含量低下, 粗脂肪含量の増大を示すものが多い。クロゴキブリの大型幼虫は, あらかじめ15℃短日(8時間照明)条件下で飼育すると, 5.5℃低温に90日以上耐えられる。そこで, 脱皮後間もない終令幼虫を15℃短日下で150日間飼育すると, その間脱皮は行われず, 体重の増大に伴い, 含水率の低下, 粗脂肪含有率の増大がみられた。しかしこの変化は15℃短日下に特異的なものではなく, 27℃長日(16時間照明)条件下でも同様の変化がみられた。27℃では短期間で脱皮が起ったがその際には含水率は上昇し, 粗脂肪含有率は低下した。一方, 15℃短日60日間飼育の後27℃長日に戻した場合, 極端な羽化のおくれは認められなかった。又15℃短日に放置すれば, 発育はおそいが400日で半数以上が羽化した。したがって, クロゴキブリ終令幼虫の15℃短日下での予備飼育による耐低温性の獲得は, 休眠を伴っていないと思われる。1令幼虫から15℃短日下で飼育を行うと, ゆっくりではあるが次々と脱皮発育し, 650日で約40%が8令(残りは6∿7令)に達した。この8令幼虫は27℃飼育の8令(27℃では終令)より小型で, 低温下では適温下より脱皮回数が多くなることが暗示された。又15℃短日下では, 20℃短日下でみられたような2令のみに特異的な令期間の延長はみられなかった。しかし, 20℃短日下で得られた2令幼虫が5.5℃に60日間耐えられなかったのに対し, 15℃短日下で得られた2令幼虫は60∿90%生存し, 耐低温性が強まっていることがうかがわれた。
収録刊行物
-
- 衛生動物
-
衛生動物 26 (1), 1-6, 1975
日本衛生動物学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001204945479424
-
- NII論文ID
- 110003815121
-
- NII書誌ID
- AN00021948
-
- DOI
- 10.7601/mez.26.1
-
- ISSN
- 21855609
- 04247086
- http://id.crossref.org/issn/04247086
-
- NDL書誌ID
- 1600999
-
- 本文言語コード
- en
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可