高悪性度子宮内膜間質肉腫の1症例

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タイトル別名
  • A case of high-grade endometrial stromal sarcoma
  • 症例報告 高悪性度子宮内膜間質肉腫の1症例
  • ショウレイ ホウコク コウアクセイド シキュウ ナイマク カンシツ ニクシュ ノ 1 ショウレイ

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抄録

子宮内膜間質肉腫は,子宮体部悪性腫瘍のなかでも比較的頻度の低い組織型である.今回われわれは捺印細胞診にて非上皮性悪性細胞を認め,高悪性度子宮内膜間質肉腫の診断に至った症例を経験したので報告する.症例は57歳,下腹部痛を主訴に前医受診,巨大子宮体部腫瘍にて当科紹介受診となった.単純子宮全摘出術+両側付属器摘出術を施行したが,腫瘍は左基靱帯付近での尿管と子宮動脈の交差部において血管壁に強固に付着し,剥離困難であったため一部残存した.腫瘍は肉眼的には粘液を伴った中心壊死状であり,捺印細胞診で非上皮性異型細胞の出現を認めた.術後病理組織診断にて腫瘍細胞の血管内への進展を認め,高悪性度子宮内膜間質肉腫の診断となった.免疫染色では,CD10(+),Vimentin (+),S‐100(-),SMA(-),ER(-),PR(-)であった.腫瘍の一部が残存し,術後病理組織診にて脈管浸潤を認めたことからdacarbazine, epirubicinを用いた動注化学療法を施行した.しかし奏効せず,腫瘍は急速に増大し手術より約5ヵ月後に死亡した.〔産婦の進歩59(3):231-236,2007(平成19年8月)〕<br>

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被引用文献 (1)*注記

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