膣・外陰candida症の臨床的側面及びAmphotericin B(Fungizone)による治療成績

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  • チツ ガイイン candidaショウ ノ リンショウテキ ソクメン オヨビ A

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抄録

産婦人科外来では, 最近とみに腟・外陰candida症の患者に遭遇する機会が多くなったように思われる. 腟・外陰candida症の基礎と臨床については, 既に第12回日本産婦人科学会総会で水野らによって宿題報告されたところであるが, 諸般の世情の移り変りと共にこれらの成績がそのまま臨床上現状にあてはまると考えるには, やや問題があるのではないかという疑問から, 抗真菌剤によるこれらの患者の治療を通して, その一端を知り且つ抗真菌剤Amphotericin B (Fungizone)およびClotrimazolの効果と共に, 最近増加しつつある消化管candida症と腟・外陰candida症との関連について臨床的に検討を試みた. 治療を通じて, 腟・外陰candida症の臨床的側面の興味ある一端を捉えることが出来た. 一方如様な背景をもつ膣・外陰candida症の治療について一考を要するものと考え, 他方抗真菌剤であり且つ経口剤であるAmphotericin B (Fungizone)と腟錠であるClotrimazol製剤を, 前者の単独または後者との併用によってその治療効果を検討し, Amphotericin B は初発または再発を繰り返す腟・外陰candida症に対し, 腟錠の使用有無に拘らず有効な治療成績を示すことがわかった. また一日の投与量によって治療成績に差が認められた. 自覚的副作用もなく, 抗真菌剤Amphotericin B (Fungizone)は腟・外陰candida症に対し有用な薬剤であることが判明した.

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