当院10年間における子癇9症例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Nine cases of eclampsia seen in our hospital over the past 10 years
  • 診療 当院10年間における子癇9症例の検討
  • シンリョウ トウ イン 10ネンカン ニ オケル シカン 9 ショウレイ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

概要 兵庫県立西宮病院で経験した子癇症例から周産期予後の改善策を検討した.2001年1月から2010年12月までの子癇症例9例を対象とし,後方視的にPIH診断から子癇発症までの期間,硫酸マグネシウムの子癇予防投与などについて検討した.PIH診断から子癇発症までの時間は6例が24時間以内,最短は1時間という非常に短時間であることが特徴的だった.非常に急速な子癇発作への進行のために,硫酸マグネシウムを子癇発作の予防目的で投与したが,有効血中濃度に達する前に子癇を発症した症例も存在した.子癇発作後から児娩出前に頭部CT検査を施行できたのは1例のみであった.PIH診断から短時間のうちに子癇を発症した症例が存在したことから,迅速なPIHの診断と硫酸マグネシウムの予防投与が必要と考えられた.子癇と脳出血との鑑別のための頭部CT検査は母体救命において重要であるが,実際の臨床現場では胎児機能不全のために児娩出よりCT検査を優先的に施行することの困難さが示唆された.〔産婦の進歩64(2):106-113, 2012(平成24年5月)〕

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ