脳梗塞を併発した前置胎盤妊娠の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of placenta previa and cerebral infarction during pregnancy
  • 症例報告 脳梗塞を併発した前置胎盤妊娠の1例
  • ショウレイ ホウコク ノウコウソク オ ヘイハツシタ ゼンチ タイバン ニンシン ノ 1レイ

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抄録

妊娠26週に脳梗塞を発症した前置胎盤妊娠の1例を経験した.症例は31歳の初妊婦で,前医ですでに前置胎盤と診断されていたところ,妊娠26週2日の起床時から左半身のしびれと左上下肢の脱力を自覚し,同医を受診後に脳梗塞の疑いで当院に搬送された.当院神経内科により右視床のラクナ梗塞と診断され,オザグレルナトリウムを11日間投与継続され,その後は帝王切開術の前後の期間を除いて今日に至るまでアスピリンを投与されている.治療開始後には徐々に症状の改善はみられたが,その後に後遺症として左上肢に舞踏病様の不随意運動が生じるようになった.妊娠経過中には子宮出血を認めず,妊娠37週1日に選択的帝王切開術にて健常男児を娩出した.前置胎盤妊娠に脳梗塞を併発する例はまれであるが,脳梗塞急性期治療やその後のアスピリン投与の期間は,前置胎盤からの出血に十分注意を払う必要がある.〔産婦の進歩60(2):77-82,2008(平成20年5月)〕

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