日本の 34 ヵ所における Anopheles sinensis, A. sinensis "E", A. lesteri および A. sineroides の分布

  • 小熊 譲
    聖マリアンナ医科大学病害動物:(現)筑波大学生物科学系
  • 神田 錬蔵
    聖マリアンナ医科大学病害動物:(現)筑波大学生物科学系

書誌事項

タイトル別名
  • The distribution of Anopheles sinensis, A. sinensis "E", A. lesteri and A. sineroides at thirty-four localities of Japan
  • 日本の34カ所におけるAnopheles sinensis,A.sinensis"E",A.lesteriおよびA.sineroidesの分布〔英文〕
  • ニホン ノ 34カショ ニ オケル Anopheles sinensis A

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抄録

1969年から1974年の6月から9月にかけて, 水田, 沼地の近くの牛舎, 馬舎, 豚舎内にて吸血蚊を夜間または昼間34ヵ所において採集した。畜舎が付近にない場合には幼虫採集を行った。A. lesteri, A. sineroidesは形態のみによって同定した。しかしA. sinensisとA. sinensis "E(Engaru)"は以下の1つまたは2つの調査によって同定した。(1) Hp (humeral pale spot)の有無, (2) 強制交尾時における雄の把握器の運動回数, (3) A. sinensisの実験室内系統との交配により得られた雑種1代の唾腺染色体の対合状態。採集個体またはその子孫を使い, 上記の方法により同定した。A. sinensisは九州, 四国, 本州に多く見られるが, 北海道では少ない。A. sinensisの新らしい同胞種となるであろうA. sinensis "E"は, 北海道のみ, ことに道北東部に多く見られた。A. lesteriは以前西日本で普通に見られたが, 今回の調査では少なかった。しかし青森県の蓬田, 北海道では非常に多く見出され, 海岸に近い場所ばかりでなく内陸部でも多数採集された。A. sineroidesは軽井沢で多く得られ, 北海道では少数ながら多くの場所で採集された。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 28 (4), 417-421, 1977

    日本衛生動物学会

被引用文献 (1)*注記

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