妊娠後期に羊水過多症を呈し,児がSturge-Weber症候群であった1例

  • 和田 あずさ
    独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院産婦人科
  • 大八木 知史
    独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院産婦人科
  • 宮本 真由子
    独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院産婦人科
  • 尹 純奈
    独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院産婦人科
  • 福岡 寛子
    独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院産婦人科
  • 坪内 弘明
    独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院産婦人科
  • 福田 綾
    独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院産婦人科
  • 筒井 建紀
    独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院産婦人科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of Sturge-Weber syndrome whose mother presented with hydramnios in the third trimester pregnancy
  • 症例報告 妊娠後期に羊水過多症を呈し,児がSturge-Weber症候群であった1例
  • ショウレイ ホウコク ニンシン コウキ ニ ヨウスイ カタショウ オ テイシ,ジ ガ Sturge-Weber ショウコウグン デ アッタ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>Sturge-Weber症候群は,顔面のポートワイン母斑と脳軟膜血管腫を主症状とする神経皮膚症候群の1つである.今回,妊娠後期に羊水過多症を呈し,出生後にSturge-Weber症候群と診断された症例を経験したので報告する.症例は33歳,3妊2産.既往歴に特記すべきものなし.里帰り分娩目的に妊娠34週より当科にて妊娠管理を行っていた.妊娠35週ではAFI 20.3であり,児に異常を認めなかった.妊娠36週でAFI 28.6と羊水過多症を呈し,徐々に羊水量は増加し,妊娠38週にAFI 36.4となった.また推定体重は+2.3 SDとLGAも認めたため,誘発分娩を行った.妊娠39週0日,誘発分娩にて4078gの男児(Agpar score 1分後7点,5分後9点,臍帯動脈血液ガス pH 7.379,BE -2.3)を経腟分娩した.出生後より呼吸障害が出現したが,小児科医による蘇生処置により呼吸状態は速やかに改善した.しかし,児の顔面に巨大血管腫,左下顎に腫脹を認めたため,精査目的にNICU管理となった.頭部MRIにて左側頭葉に脳軟膜血管腫が指摘され,Sturge-Weber症候群を疑い,精査加療目的に日齢32に転院となった.転院先にてSturge-Weber症候群の診断のうえ,プロプラノロール内服治療開始となった.妊娠中に羊水過多を呈したSturge-Weber症候群の報告は稀であり,文献的考察を含め報告する.〔産婦の進歩70(1):31-36,2018(平成30年2月)〕</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ