書誌事項
- タイトル別名
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- A case of tubal pregnancy presenting with acute abdomen at 14 weeks gestation
- ニンシン 14シュウ マデ ムショウジョウ デ ケイゾク シタ アト,キュウセイ フクショウ オ テイシタ ランカン ボウダイブ ニンシン ノ 1 ショウレイ
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説明
卵管妊娠は妊娠初期に卵管破裂によるショックなどの症状を呈することが知られている.しかし,超音波検査が発達した今日では症状出現前に診断されることも多く,妊娠12週を越えて継続することは非常にまれである.今回われわれは妊娠14週まで無症状で継続して,急性腹症で発症して診断された卵管膨大部妊娠の1症例を経験したので報告する.症例は41歳の初産婦で,AIHを行って尿中hCGが陽性となり,子宮内に小さな胎嚢様構造物を認めたため,この時点では子宮内の妊娠とされた.しかしAIH後16日目に胎嚢様構造物が消失したため流産と診断されていた.その後は自覚症状を認めなかったため近医を受診していなかった.AIH後88日目(妊娠14週4日に相当)に突然の下腹部痛が出現し,当院へ救急搬送となった.当院到着時はショック状態で,軽度の貧血を示し,尿中hCG陽性であった.経腟超音波検査で子宮内に胎嚢はなく,子宮外に頭殿長53 mmの心拍ある胎児を認めた.MRI画像では左付属器に長径6.9 cmの楕円形の胎嚢と三日月形の胎盤,腹腔内出血を認めた.卵管妊娠もしくは腹腔妊娠と考え緊急開腹術を行ったところ,左卵管は破裂しており,胎児と臍帯・絨毛組織を摘出後に左卵管膨大部の切除術を行った.術中出血量は開腹時の腹腔内出血を含め1040 mlであった.妊娠12週以降まで継続した卵管妊娠と腹腔妊娠を術前に鑑別するのは難しいが,超音波画像やMRI画像で「丸い胎嚢」と「三日月形の胎盤」という2つの所見がこれらの卵管妊娠では特徴的であり,腹腔妊娠との鑑別に有用である可能性がある.今回われわれは妊娠14週まで無症状で経過し,その後に急性腹症を発症して診断された非常にまれな卵管妊娠を経験したので報告した.〔産婦の進歩67(2):67-73,2015(平成27年5月)〕
収録刊行物
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- 産婦人科の進歩
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産婦人科の進歩 67 (2), 67-73, 2015
近畿産科婦人科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204946643712
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- NII論文ID
- 130005085379
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- NII書誌ID
- AN00099490
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- ISSN
- 13476742
- 03708446
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- NDL書誌ID
- 026402771
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可