衛生害虫に対する殺虫剤残留噴霧の再検討 : 第 2 報イエバエに対する各種有機燐剤の効果について

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タイトル別名
  • Critical tests regarding current residual-spray control against medical insects in Japan : II. Effect of several organophosphorus insecticides against houseflies as applied in model-huts
  • 衛生害虫に対する殺虫剤残留噴霧の再検討-2-
  • エイセイ ガイチュウ ニ タイスル サッチュウザイ ザンリュウ フンム ノ サイケントウ 2

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抄録

昨年度に引続き, イエバエの成虫対策としての残留噴霧の効果を再検討する目的で, 東京都八王子市城山山麓の山小屋を利用して, 各種燐剤を中心に, 昨年と同様な規模の実験を行い, 次のような結果を得た.1.1962年5〜6月に行つた第1次実験においては, 感受性の高槻系イエバエとdiazinon抵抗性イエバエとの間で, 0.5%diazinon残渣に対する効果の差異が極めて明瞭に認められた.また, 0.5%Nankor, 0.5%DDVP, 及び0.5%Dibromの残渣は, diazinon抵抗性イエバエに対して, diazinonよりも有効であつたが, 若干の交叉抵抗性は認められた.2.1962年9〜10月に行つた第2次実験においては, 感受性, 及びdiazinon抵抗性イエバエに対するNankorとDibromの効果を比較したが, 何れの系統に対しても, 散布1日後では, Nankorに比べて, Dibromの効果がややすぐれ, 散布7日後以降は, Nankorの効果の方がすぐれていた.また, 両薬剤の残渣とも, 草地の小屋より林中の小屋の効果が大きかつたのは, 昨年のDDT, 及びγ-BHCの場合と同じ傾向であつた.3.第1次, 及び第2次の両実験を通じて, 昼間の気温が30℃にも達する季節の有機燐剤の残効は, 散布後せいぜい15日間程度しか期待できないことが分つた.

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 14 (1), 48-52, 1963

    日本衛生動物学会

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