茎捻転をきたした卵管脂肪腫の1例

  • 山西 恵
    社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院産婦人科
  • 村上 寛子
    社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院産婦人科
  • 前田 万里紗
    社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院産婦人科
  • 平田 侑里子
    社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院産婦人科
  • 水津 愛
    社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院産婦人科
  • 安原 裕美子
    社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院病理診断科
  • 藤井 剛
    社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院産婦人科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of torsion of a fallopian tube lipoma
  • 症例報告 茎捻転をきたした卵管脂肪腫の1例
  • ショウレイ ホウコク ケイ ネンテン オ キタシタ ランカン シボウ シュ ノ 1レイ

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抄録

<p>卵管脂肪腫はきわめてまれな腫瘍である.今回われわれは卵管脂肪腫茎捻転の1例を経験したので報告する.症例は62歳の1経妊1経産の女性で,4日間持続する下腹部痛を主訴に近医内科を受診後に当院紹介となった.初診時の診察で,左付属器領域に圧痛を認め,MRIにて左付属器にT1強調画像,T2強調画像でともに高信号を呈し,脂肪抑制T1強調画像で抑制される径6 cm大の腫瘤性病変を認めた.左卵巣成熟嚢胞性奇形腫の茎捻転を疑い,開腹手術を施行した.左付属器には,卵管采から連続する鵞卵大で暗赤色の腫瘤を認め,反時計回りに5回転捻転していた.この卵管腫瘤は95gで,充実性で分葉状であった.また捻転茎より骨盤側に正常萎縮卵巣を認めた.病理組織診断では正常脂肪細胞からなり,結合組織性の隔壁を有し,脂肪小葉を形成しており,卵管脂肪腫と診断した.成熟嚢胞性奇形腫との鑑別が問題となるが, 卵管脂肪腫ではMRI画像で腫瘍内に小葉間隔壁がみられることが特徴的であり,本症例でも同所見が確認された.MRI画像で小葉間隔壁を疑う所見を認めた場合には,卵管脂肪腫を鑑別疾患として留意すべきことが明らかになった.〔産婦の進歩69(1):32-36,2017(平成29年2月)〕</p>

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