当院における子宮内膜癌76例の臨床病理学的検討

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タイトル別名
  • Analysis of clinicopathologic findings in 76 cases of endometrial carcinoma
  • 臨床研究 当院[大津市民病院]における子宮内膜癌76例の臨床病理学的検討
  • リンショウ ケンキュウ トウ イン オオツ シミン ビョウイン ニ オケル シキュウ ナイ マクガン 76レイ ノ リンショウ ビョウリガクテキ ケントウ

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抄録

子宮内膜癌76例の臨床病理学的検討を行った.標準術式として,準広汎子宮全摘出術,両側付属器摘出術,骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術を行った.中リスク以上の子宮内膜癌には,術後補助化学療法として,TC化学療法あるいはAP化学療法を6コース行った.G3類内膜腺癌と脈管浸潤は,III期・IV期例に多い傾向がみられた.I期・II期の予後は良好で,5年生存率は100%であった.III期の生存率は72.3%,IV期は30.0%であった.III期・IV期子宮内膜癌の予後因子を検討した.III期・IV期子宮内膜癌において,後腹膜リンパ節郭清を含む標準術式が貫徹できた例では,予後は良好であった.G1・G2類内膜腺癌は,G3類内膜腺癌と比較して明らかに予後が良好であった.しかし,リンパ節転移は有意な予後因子でなかった.腟断端再発はIII期の1例のみであった.結論として,I期・II期子宮内膜癌では縮小手術が行える可能性がある.III期・IV期子宮内膜癌では,リンパ節転移の有無は有意な予後因子とはならなかったが,骨盤・傍大動脈リンパ節郭清を含む準広汎子宮全摘出術の貫徹が予後を改善する重要な因子であった.しかし,III期・IV期のG3類内膜腺癌では従来の治療法は有効ではなかった.〔産婦の進歩62(3):227-233,2010(平成22年8月)〕

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