慢性期片麻痺患者の上肢機能に対する随意運動介助型電気刺激(Integrated Volitional control Electrical Stimulator:IVES)と手関節固定装具併用療法の試み

  • 笠島 悠子
    慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
  • 藤原 俊之
    慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
  • 村岡 慶裕
    藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科
  • 辻 哲也
    慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
  • 長谷 公隆
    慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
  • 里宇 明元
    慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Newly Developed Therapy for Paretic Arm using an Integrated Volitional Control Electrical Stimulator and a Wrist-hand Splint
  • マンセイキ ヘンマヒ カンジャ ノ ジョウシ キノウ ニ タイスル ズイイ ウンドウカイジョガタ デンキ シゲキ Integrated Volitional control Electrical Stimulator IVES ト シュ カンセツ コテイ ソウグ ヘイヨウ リョウホウ ノ ココロミ

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抄録

随意運動介助型電気刺激装置(Integrated Volitional control Electrical Stimulator : IVES)と手関節固定装具の併用により,上肢機能の改善を認めた慢性期片麻痺の1例を経験した.症例は脳腫瘍術後1年を経過した 32 歳男性で,右片麻痺が残存し,上肢の痙縮が強く,手指の分離運動は不能であったが,伸展がわずかに可能で,関節可動域制限や感覚障害は軽度であった.本例にIVESと手関節固定装具を 1 日 8 時間,8 日間装着することにより,手指の分離運動が可能となり,上肢実用度が著明に改善し,筋電図上も手指伸展運動時の手指屈筋群の過剰な筋活動の減少を認めた.本例のように,痙縮が高度で,手指分離運動の障害を認める片麻痺患者において,関節可動域制限や感覚障害が軽く,総指伸筋の筋活動の導出が可能であれば,慢性期であってもIVESと手関節固定装具の併用により,上肢機能が改善する可能性があると考えられた.

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参考文献 (26)*注記

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