輻輳眼振と上方注視障害
書誌事項
- タイトル別名
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- Convergence nystagmus and paralysis of upward gaze
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説明
輻輳眼振と上方注視障害はいつれも中脳水道周辺症候群として同時にみられることが多いが, 第3脳室腫瘍症例では輻輳眼振のみが, 後大脳動脈血管腫症例は経過中殆んど各々が単独に出現した。しかもいつれも意識障害後に輻輳眼振が著明に出現した。その他松果体腫瘍症例3例, 側頭葉腫瘍症例1例, および外頸性傷部症候群症例1例から, 意識障害発生部位 (中脳網様体, 間脳網様系) と轍輳眼振発生部位とがほぼ一致すると考えられた。その際, 網様系の興奮が, 眼球の開散が trigger となっており, その結果として輻酸眼振が発現するとした。また輻藤眼振は覚醒, 注意の集中などで発現し易くなるなど, 網様系特に中脳網様体, 問脳の網様系がこれらともっとも関係が深いことから両者の関係が一層うらづけるものである。更に輻湊眼振の発生には, 特に腫瘍症例について, 中脳水道完全閉塞が極めて重要な要因を成していると考えられる。その他今回の症例では対光反射, 瞳孔反応の異常が比較的少なかったことも, 特出すべき所見であった。
収録刊行物
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- Equilibrium Research
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Equilibrium Research 33 (1), 52-57, 1974
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204949705344
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- NII論文ID
- 130000851946
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- ISSN
- 1882577X
- 03855716
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可