卒後教育における「技術の可視化」の試み: 手術技術の要素化と定量化

DOI
  • 山崎 ももこ
    東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 櫻井 結華
    東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 小宮 清
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科環境社会医歯学講座研究開発学分野
  • 小島 博己
    東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 宮本 康裕
    聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 俵道 淳
    聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 肥塚 泉
    聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 森山 寛
    東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • TRIAL OF ‘VISUALIZATION OF THE TECHNIQUES’ FOR POSTGRADUATE EDUCATION

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抄録

医師の専門性を要求される現在の社会環境において, 教育機関として耳鼻咽喉科を目指す医師に対してわかりやすい目標とその達成度を評価できる教育システムの構築が必要と考えた。 まずは, 目標を数値化できるわかりやすい手術件数で「技術の可視化」をすることを試みた。<br> 東京慈恵会医科大学附属病院の耳鼻咽喉科医師を対象に検討した結果, 耳鼻咽喉科経験10年前後で特定の部位の手術に特化する傾向が見られた。 全国調査でも, 耳鼻咽喉科経験10年前後の医師が医育機関から病院や診療所に移行する時期であるので, 耳鼻咽喉科経験10年未満の医師を対象に教育目標を設定した。<br> 次に6大学の耳鼻咽喉科医師 (156名) を対象に耳鼻咽喉科の手術件数に関するアンケートを実施した。 その結果, 対象手術を「5年未満に独り立ちできる手術」, 「10年未満に独り立ちできる手術」, 「10年以上で独り立ちを目指す手術」の3グループに分類した。 対象手術の目標件数は, 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科医局において経験10年以上の医師のアンケートの平均値を採用した。<br> このように, 耳鼻咽喉科医の育成のために, 目に見える目標を設定することができたが, このようなシステムは我々の知りうる限りは見当たらず, 大変有意義なものと考える。 また, 今後このシステムを導入, 有効性を検討していく予定である。

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