鼻中隔粘膜より発生した多形腺腫の2例

DOI
  • 坂口 雄介
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
  • 森脇 宏人
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
  • 高畑 喜臣
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
  • 井上 なつき
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
  • 久保田 俊輝
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
  • 石井 祥子
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
  • 山口 宗太
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
  • 大久保 はるか
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
  • 吉川 衛
    東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • TWO CASES OF PLEOMORPHIC ADENOMA ARISING FROM THE NASAL SEPTUM

抄録

<p> 今回われわれは鼻中隔より発生した多形腺腫を2例経験し, 内視鏡下に摘出し得たので報告する。<br> 1例目は70歳女性で, 右鼻閉および鼻出血を主訴に受診となった。 初診時, 右鼻中隔を基部とする易出血性の腫瘍性病変を認めた。 CT 検査では鼻中隔の腫瘍以外に病変はなく, 明らかな骨破壊も認めなかった。 また MRI にて, 腫瘍は T1 強調画像では低信号, T2 強調画像で高信号, T1 造影では造影効果を認めた。 本症例に対し, 全身麻酔下に内視鏡下鼻内手術にて腫瘍を摘出した。 病理学的組織検査では異型の乏しい線毛円柱上皮に覆われた鼻粘膜であり, 上皮下に境界比較的明瞭な腫瘍を認め, 多形腺腫の診断であった。<br> 2例目は56歳男性で, 右鼻出血を主訴に受診となり, 初診時の鼻内所見では右鼻中隔に基部を持つ易出血性の腫瘍を認めた。 CT 検査では副鼻腔に病変はなく, 右鼻腔腫瘍周囲への明らかな浸潤や骨破壊は認めなかった。 また造影 MRI で腫瘍は, T1 強調画像で低信号, T2 強調画像で高信号と造影効果を認めた。 1例目と同様に鼻内内視鏡下に腫瘍を摘出した。 病理学的組織検査では大部分の表層粘膜上皮は糜爛により脱落した鼻粘膜であり, 上皮下に境界比較的明瞭な腫瘍が形成されており, 多形腺腫の診断であった。<br> 多形腺腫は筋上皮細胞の存在する腺組織に発生する腫瘍であり, 頭頸部領域で多くは大唾液腺に発生し, 鼻腔内に発生することは少ない。 多形腺腫は稀ではあるが悪性転化することも報告されており, 術後も慎重な経過観察が必要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204951768320
  • NII論文ID
    130006250555
  • DOI
    10.11453/orltokyo.59.6_291
  • ISSN
    18836429
    03869687
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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