脊髄髄膜瘤と難聴<br>—二分脊椎患者における難聴との検討—

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  • HEARING LOSS IN PATIENTS WITH MYELOMENINGOCELE<br>—CASES DISCUSSION ABOUT HEARING LOSS IN PATIENTS WITH SPINA BIFIDA—

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抄録

二分脊椎 (spina bifida) は神経管欠損の一種であり, 脊椎裂または脊柱の不完全癒合を呈す疾患である。二分脊椎によって引き起こされる症状として, 水頭症, 髄膜炎, 裂傷部より下位の筋肉の衰弱や麻痺, 感覚の低下, 排尿排便障害がある。難聴の合併に関しての報告は少なく, 難聴をきたす症例が認められる。髄膜炎を合併しやすく, 治療上の薬剤の副作用による薬剤性難聴も生じうる。二分脊椎は顕在性と潜在性に分類されているが, 出生後早期に閉鎖術が必要となることが多く, 重篤な障害をもつものは脊髄髄膜瘤 (myelomeningocele) であり, 今回はその脊髄髄膜瘤症例を対象とした。過去15年間に心身障害児総合療育センターを受診した脊髄髄膜瘤患者6例において聴力とその病態を報告する。6例中3例は正常聴力で, その他の3例で難聴が認められ, 正常聴力例から重度の難聴を呈する例まで症例により違いがみられた。難聴の原因は他疾患合併や水頭症による中枢性聴覚障害と様々であった。

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