エチルアルコールを添加した低食塩豚肉パティの諸性質

  • 中村 誠
    石川県農業短期大学畜産物利用学研究室
  • 宇佐川 智也
    石川県農業短期大学畜産物利用学研究室 石川県農業短期大学家畜飼育学研究室
  • 加藤 啓介
    石川県農業短期大学畜産物利用学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • The Effects of Incorporated Ethyl Alcohol on the Characteristics of Salt-Reduced Pork Patty
  • エチルアルコール オ テンカシタ テイ ショクエン ブタニク パティ ノ ショ

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抄録

食塩の過剰摂取が高血圧や心臓病などの循環器系の疾病を誘引することは良く知られている。厚生省の指針では,日本人の食塩摂取量は,当面の努力目標として,成人で一日当たり10g以下とすることになっている。これは,1g未満と言われる日本人成人の一日当たりの食塩必要量や欧米諸国の摂取基準よりかなり多い量である。欧米に比べて,食塩を多くとる食習慣があったことを考慮に入れてのことのようである。実際の日本人の食塩摂取量は,減塩思想の普及や食生活の洋風化,過剰摂取の元凶とされた伝統的食品(味噌,醤油,漬物など)の低食塩化などによって,年々減少してきた。しかし,このところ一人一日当たり12g付近で減少が停滞しているようである。そこで,食塩摂取量をもう一段減少させるために,伝統的食品ばかりでなく,洋風の加工食品に対しても減塩が強く望まれるようになってきた。食肉製品もその例外ではない。食肉製品において食塩は単なる調味料ではない。塩味をつける以外でもその効果は,保水性の向上,結着性の発現,防腐性の付与,と重要なものばかりである。減塩によりこれらの効果は多少の別はあるが負の方向で影響を受ける。中でも防腐性は,現在減塩と言われている食肉製品のような低食塩濃度では,ないに等しい。そこで,我々は減塩により減衰した食塩の保存料としての効果を他の手段で補うことを目的にいくつかの方法を検討し報告してきた。今回は,エタノールが漬物などの伝統的食品の減塩に一役買っていることに注目し,低食塩濃度の加塩肉にエタノールを加えることの効果について検討した。

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