有毒アオコ産生ミクロキスチンの灌漑水域の動植物への影響と保全対策

  • 類家 翔
    福島大学大学院共生システム理工学研究科
  • 神蔵 雄生
    福島大学大学院共生システム理工学研究科
  • 稲森 隆平
    福島大学大学院共生システム理工学研究科
  • 鈴木 理恵
    (一財)茨城県薬剤師会検査センター
  • 徐 開欽
    (独)国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター 上海交通大学
  • 稲森 悠平
    福島大学大学院共生システム理工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Microcystin Produced from Blue-green Algae Microcystis aeruginosa on Animal-plant in Agricultural Area and Its Countermeasures during Irrigation
  • ユウドク アオコ サンセイ ミクロキスチン ノ カンガイスイイキ ノ ドウショクブツ エ ノ エイキョウ ト ホゼン タイサク

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抄録

環境リスクを低減させ農作物の食の安全性を確保する上で、灌漑取水源水域での富栄養化由来の藍藻類等植物プランクトンの異常増殖により生成される有毒ミクロキスチンによる農作物の生育や蓄積に及ぼす影響を明らかにすることが新たな課題となってきている。有毒アオコ発生灌漑水域の動植物の影響として、魚類・貝類にミクロキスチンが蓄積・代謝すること、農作物や水耕植物の環状ペプチドのミクロキスチンを根から吸収し、植物の地上部に蓄積すること、高濃度条件では植物の生育阻害を引き起こすことから、ミクロキスチン由来のリスク軽減に向けたバイオ・エコシステムの導入による有毒アオコ増殖抑制と共に灌漑用水の水質改善を行うことで農作物の安全性と品質を確保していく必要がある。また、植物葉面への、有毒アオコ散布による可食部への蓄積を抑制するため、灌漑手法を植物の葉面、可食部、土壌等への散布灌漑から、土壌への浸透の灌漑手法による水供給の方法への移行に関する検討整備等、農作物の適正水利用システムの開発の確立が重要といえる。

収録刊行物

参考文献 (32)*注記

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