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- Nguyen Ai Le
- 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻
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- 井上 大介
- 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻 北里大学医療衛生学部健康科学科
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- 清 和成
- 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻 北里大学医療衛生学部健康科学科
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- 惣田 訓
- 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻
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- 池 道彦
- 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻
書誌事項
- タイトル別名
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- Arsenic adsorption characteristics of biogenic iron oxides in comparison to chemogenic iron oxides
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説明
鉄系吸着剤(酸化鉄)はヒ素汚染水の浄化に有効であることが知られている。本研究では、浄水場の生物接触ろ過槽から採取した生物起源の酸化鉄(BIO)を物理化学的および生物学的に特徴づけるとともに、化学起源の酸化鉄(CIO)との比較から、ヒ酸および亜ヒ酸の吸着特性を調査した。BIOは鉄、マンガン、リン酸イオンを豊富に含んでいた。また、内部には代表的な鉄酸化細菌であるLeptothrix属細菌が優占しており、Leptothrixの細胞表面に表面積の大きい鉄・マンガン酸化物の沈澱物が形成していることが示唆された。BIOとCIO(それぞれ5mg-Fe/L)を用いたヒ酸および亜ヒ酸(それぞれ100-1500μg/L)の回分吸着試験、およびLangmuir、Freundlichの吸着等温式による試験結果の回帰により、ヒ素の種類や濃度によらず、BIOはCIOよりも水相のヒ素の吸着に優れていることが明らかになった。本研究で用いたBIOの最大ヒ素吸着量は、ヒ酸で34.25μg-As(V)/mg-Fe、亜ヒ酸で28.99μg-As(III)/mg-Feであり、いずれもCIOに比べて2.7倍大きかった。BIOはヒ素汚染水中に共存している鉄の生物酸化によって、現地で容易に生成させることができるため、BIOを用いた吸着は、飲料水源が高濃度ヒ素汚染を受け、かつ鉄も高濃度で含まれていることの多いアジア地域の途上国における有望なヒ素浄化技術であると考えられる。
収録刊行物
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- 日本水処理生物学会誌
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日本水処理生物学会誌 48 (4), 145-156, 2012
日本水処理生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204963233152
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- NII論文ID
- 10031145965
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- NII書誌ID
- AN00351126
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- ISSN
- 18810438
- 09106758
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- NDL書誌ID
- 024179710
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可