4-ニトロフェノール分解菌による3-メチル-4-ニトロフェノールの生物分解性

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  • Biodegradability of 3-Methyl-4-Nitrophenol by 4-Nitrophenol-Degrading Bacteria

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有機リン酸系殺虫剤であるフェニトロチオンは、農業における有害昆虫の駆除や庭園、ゴルフコース、森林などの保全のために使用されてきた。本殺虫剤は活性汚泥細菌や土壌細菌により容易に3-メチル-4-ニトロフェノール(3M4NP)に分解され、培地中に3M4NPが蓄積した。これまでに4-ニトロフェノール(4NP)の分解機構はよく特徴付けされてきたが、3M4NPの分解機構に関してはあまり知られていない。そこで、インドとアメリカで単離された12株の4NP分解菌を用いて、3M4NPの分解性を調べた。使用された4NP分解菌は16S rRNA遺伝子配列に基づき5つの属(Arthrobacter, Pseudomonas, Nocardioides, Micrococcus, Staphylococcus)に分類された。その中で、Arthrobacter属に属する3株の4NP分解菌のみが3M4NPで増殖可能であった。次に、全ての4NP分解菌を用いて3M4NPと4NPの分解試験を行ったところ、3M4NP分解の初発分解酵素の欠落もしくはその活性が弱いために、ほとんどの菌株は4NPに比べて3M4NPをあまり分解することができなかった。これらの分解菌のうち、425株は4NPと同様に3M4NPを分解することができたが、メチルハイドロキノンを定量的に蓄積した。このことから425株は部分的にのみ3M4NPを分解することが分かった。これらの結果から、4NP分解菌は環境中での3M4NP分解において主要な役割を担っていないが、その分解を補助し得ることを提案した。

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参考文献 (39)*注記

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