ペニシリン・アレルギーの研究 : ペニシリンGの抗原構造について

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タイトル別名
  • Studies on the Penicillin Allergy : Some Notes on the Antigenic Binding of Penicillin-G to Protein
  • ペニシリン・アレルギーの研究
  • ペニシリン アレルギー ノ ケンキュウ

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抄録

生体内で起り得る条件で作成されたペニシリン(Pc)に特異的な感作抗原である Pc-albumin complex の Pc と albumin の結合様式を検討した.S^<35> 標識 Pc-albumin につき総量, Penicillenic acid 残基量および蛋白量より結合比を算定し, 一方 complex の Penamaldate 法処理前後の紫外吸光の差より, Pc は主に Pnicilloyl protein conjugate として存在することを推定した.次に直接 penicilloyl albumin conjugate を作成, Pc HSA complex および penialloyl HSA conjugate を抗原としてそれぞれの抗血清, 感作時は Eggalbumin 使用, および抗 Pc 単独血清とPCA, 赤血球凝集反応, 寒天ゲル内沈降反応を検討し, 再抗原は強い交叉反応を示しまた抗 Pc 単独血清とも強く反応することを認めた.更に両抗原および Pc 単独で700人に皮内反応を行い, 蛋白結合抗原は陽性率高く, かつ同一被験者に一致する例が高率に認められた.以上の結果より感作機序として, Pc は生体内で penicillenic acid に転換後蛋白と結合し主として penicilloyl protein conjugate を形成し完全抗原となる過程を想定した.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 13 (6), 469-475,481, 1964

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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