喘息難治化の要因の検討(I) : 気道過敏性について

書誌事項

タイトル別名
  • Bronchial Hyperresponsiveness on Pathogenesis of Intractable Asthma
  • 喘息難治化の要因の検討-1-気道過敏性について
  • ゼンソク ナンジカ ノ ヨウイン ノ ケントウ 1 キドウ カビンセイ ニ ツ

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説明

一般の治療に抵抗して日常生活維持のためにはステロイド依存性である難治性喘息について, 難治化の要因として気道過敏性の関与を検討した.気道反応性はアセチルコリン閾値をもって表現した.1)70名の喘息患者を重症度によりi)軽症群, ii)気管支拡張剤悪化時使用群, iii)同常用群, iv)難治型群の4つに分けると, 閾値の幾何学平均はそれぞれ1135, 1143, 483, 245mg/mlであった.ii群とiv群の平均値の差は有意であった.難治性喘息群の気道過敏性は他のより軽症群に比べて亢進している傾向があるといえる.しかし, 各重症度群での閾値の分布は著しく重複しており, 気道過敏性の亢進は難治化の一要因であるが, 他の要因も大きく作用していることを示唆している.2)5% orciprenaline吸入による閾値の増加は, 難治性喘息群では平均約4倍で, 他のより軽症な群は平均約10倍であったが, その差は有意でなかった.3)40mgのprednisolone hemisuccinate静注, または1日10mgのprednisoloneの3日間の経口投与は, 閾値を程度は低いが有意に増加させた.ステロイドは気道過敏性を低下させると考えられる.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 24 (1), 21-26,81-82, 1975

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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