三種混合ワクチン(DPT)接種およびBCG接種がアトピー性疾患におよぼす影響

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タイトル別名
  • THE EFFECT OF DPT AND BCG VACCINATIONS ON ATOPIC DISORDERS

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説明

三種混合ワクチン(DPT)接種とBCG接種によるアトピー性疾患発現効果と抑制効果について検討するために, 東京都神津島村在住の0歳から3歳の全小児82名, 小学1年生全生徒31名および中学1年生全生徒30名, 合計143名を対象として調査を行った.0歳から3歳児では, DPT接種群におけるアトピー性疾患(22/39人, 56.4%), 気管支喘息(10/39人, 25.6%)の各頻度は非接種群におけるそれぞれの頻度(4/43人, 9.3%, 1/43人, 2.3%)に比して有意に高率であった(p<0.01).またアトピー性皮膚炎の頻度(7/39人, 18.0%)も非接種群(1/43人、2.3%)に比して有意に高率であった(p<0.05).小学1年生では, ツベルクリン反応陽性者にアトピー性疾患を有するものはなかった.しかし, 中学1年生では関連はみられなかった.以上より, DPT接種はアトピー性疾患の発現に促進的に作用する可能性を持ち, BCG接種はアトピー性疾患の発現を抑制するが, その抑制効果はかならずしも持続的なものではない可能性があると考えられる.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 49 (7), 585-592, 2000

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (14)*注記

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