アスピリン1.5gの組み合わせ負荷試験により診断し得た,イカによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF FOOD-DEPENDENT EXERCISE-INDUCED ANAPHYLAXIS DIAGNOSED BY THE PROVOCATION TEST WITH CUTTLEFISH AFTER THE PRETREATMENT WITH 1.5G OF ASPIRIN
  • 症例報告 アスピリン1.5gの組み合わせ負荷試験により診断し得た,イカによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの1例
  • ショウレイ ホウコク アスピリン 1 5g ノ クミアワセ フカ シケン ニ ヨリ シンダン シエタ イカ ニ ヨル ショクモツ イソンセイ ウンドウ ユウハツ アナフィラキシー ノ 1レイ

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説明

29歳女性.17歳時にイカフライ摂取後運動した際に蕁麻疹が出現したことがあり,以降魚介類摂取時に蕁麻疹が出現することがあった.29歳時7月,腰痛に対してロキソプロフェンを内服後,夕食にバーベキューをしてイカを含む魚介類を摂取した.食後約1時間後の散歩中に全身に膨疹が出現し,口唇腫脹,腹痛,嘔吐,呼吸困難が認められ,他院へ救急搬送された.食物アレルギー精査目的で当科紹介受診となった.イカについての検査結果は,Immuno CAPは陰性,市販抗原液によるプリックテストは陰性,生と加熱したイカのprick-prick testは共に陽性であった.イカ単独摂取やアスピリン0.5gとイカ100gの組み合わせ負荷試験は陰性であったが,組み合わせ負荷試験でアスピリンを1.5gまで増量したところ全身に膨疹が誘発された.以上よりイカによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断した.本症の負荷試験では食物だけでなく,増強因子としてのアスピリンの用量依存的な効果を考慮することが重要であることが示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 59 (12), 1634-1641, 2010

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (44)*注記

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