イカ摂取により発症したと考えたアニサキスアレルギーの1例 : Ani s 1, 2および12ならびにトロポニンCの陽性例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF AN ALLERGIC REACTION DUE TO ANISAKIS SIMPLEX POSSIBLY AFTER THE INGESTION OF SQUID : SUCCESSFUL DETECTION OF FOUR A. SIMPLEX ALLERGENS, Ani s 1, Ani s 2, Ani s 12 AND TROPONIN C-LIKE PROTEIN
  • 症例報告 イカ摂取により発症したと考えたアニサキスアレルギーの1例 : Ani s 1,2および12ならびにトロポニンCの陽性例
  • ショウレイ ホウコク イカ セッシュ ニ ヨリ ハッショウ シタ ト カンガエタ アニサキスアレルギー ノ 1レイ : Ani s 1,2 オヨビ 12 ナラビニ トロポニン C ノ ヨウセイレイ

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抄録

症例は62歳男性.過去に3回,サンマ,カツオ,イワシにてアレルギー症状を起こしたことがある.今回,イカ摂取により発症したと考えたアニサキスアレルギーの1例を報告する.イクラとサーモンの和え物,サバの焼き魚を摂取して1時間後にマグロ,イカの刺身を摂取したところ,直後に,膨疹,意識消失,血圧低下が出現した.種々の海産物等でのImmunoCAP(特異的IgE測定)およびプリックテストはすべて陰性であったが,アニサキス特異的IgEはクラス3,アニサキス粗抗原を用いたプリックテストは3+であった.アニサキス粗抗原を用いたイムノブロットでは,18kDa, 17kDaに強く,35kDaにやや強く,28kDa, 26kDaに弱くバンドが形成された.11種のアニサキスアレルゲン(Ani s 1〜6, 8, 9, 11, 12,トロポニンC)を用いたELISAでは,Ani s 1, Ani s 12に強い反応,Ani s 2,トロポニンCに弱い反応が認められた.イムノブロットによる17kDaおよび18kDaのバンドはそれぞれAni s 1およびトロポニンCのいずれかであり,35kDaはAni s 12と推定した.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 61 (8), 1104-1110, 2012

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (14)*注記

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