小児病院におけるアナフィラキシーと二相性反応

  • 長野 智那
    国立成育医療研究センター総合診療部
  • 石黒 精
    国立成育医療研究センター総合診療部:国立成育医療研究センター教育研究部
  • 余谷 暢之
    国立成育医療研究センター総合診療部
  • 阪井 裕一
    国立成育医療研究センター総合診療部
  • 藤原 武男
    国立成育医療研究センター成育社会医学研究部
  • 大矢 幸弘
    国立成育医療研究センターアレルギー科

書誌事項

タイトル別名
  • ANAPHYLAXIS AND BIPHASIC REACTION IN A CHILDREN HOSPITAL
  • ショウニ ビョウイン ニ オケル アナフィラキシー ト ニ アイショウ ハンノウ

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抄録

【背景・目的】アナフィラキシーは,抗原の暴露後に急速に進行する全身性の致死的反応である.小児におけるアナフィラキシーの詳細な報告は少ないため,二相性反応を含めたアナフィラキシーの実態把握を目的とした.【方法】2002年から2010年の8年間にアナフィラキシー症状を呈して当センターを受診した345例を対象とした.原因,年齢・性別,症状,治療について診療録により後方視的に検討した.【結果】年齢の中央値は36カ月,男児が63%を占めていた.アナフィラキシーショックは7例(2%)で,死亡例は認めなかった.アナフィラキシーの主要原因は食物293例(85%),薬物10例(3%)であった.食物では卵,乳製品,ナッツ類が多く認められた.多い初期症状は,皮膚粘膜症状(90%),呼吸器症状(71%)であった.初期治療としてのアドレナリン使用は75例(22%)であった.初発時から当センターで観察した340例中,二相性反応は3例に認め発症頻度は0.9%であった.年齢,性別,Grade,症状については二相性反応と単相性の間に有意差は認めなかった.【結語】わが国で初めて,小児のアナフィラキシーにおいて二相性反応は0.9%に起こったという頻度を明らかにした.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 62 (2), 163-170, 2013

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (23)*注記

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