5歳未満で発症した小児気管支喘息児の5年間の経過

書誌事項

タイトル別名
  • THE COURSE OF ASTHMA SYMPTOMS IN JAPANESE CHILDREN; THE FIRST REPORT FROM A MULTICENTER PROSPECTIVE COHORT STUDY
  • 5歳未満で発症した小児気管支喘息児の5年間の経過 : 小児気管支喘息予後調査2004(第1報)
  • 5サイ ミマン デ ハッショウ シタ ショウニ キカンシ ゼンソクジ ノ 5ネンカン ノ ケイカ : ショウニ キカンシ ゼンソク ヨゴ チョウサ 2004(ダイ1ポウ)
  • 小児気管支喘息予後調査2004 第1報

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抄録

<p>【背景】喘息治療ガイドラインや抗炎症薬の普及により喘息死を含めた重症例は明らかに減少しているが,日本の喘息児の予後を長期にわたり前向きに検討した報告は少ない.</p><p>【方法】2004年9月から2006年2月までに全国90施設で喘息と診断された851人を登録し,その経過を長期にわたり把握する目的で約1年毎に症状や治療,環境に関する質問票を送付する縦断観察研究を開始した.今回はそのうち医師により喘息と診断された5歳未満の児の登録時から5年後までの発作型,真の重症度,治療内容の1年ごとの分布の推移を分析した.</p><p>【結果】解析対象は年齢2.8±1.1歳(平均±標準偏差)の喘息児641人であった.発作型は間欠型が登録時37.6%から5年目で86.5%に増加,治療を加味した重症度も間欠型が登録時7.0%から5年目38.9%まで増加し,有意に軽症化していた.治療薬は,β2刺激薬の使用者が87.8%から53.5%に減少し,吸入ステロイド薬の使用者は登録時41.6%,5年目で38.1%であった.</p><p>【結論】乳幼児期発症の喘息児の8割以上で5年目には喘息症状が概ねコントロールされており,重症度も改善していた.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 67 (1), 53-61, 2018

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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