タコクラゲ摂取によりアナフィラキシーを起こした14歳男児例

  • 窪田 祥平
    国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院小児科
  • 野澤 麻子
    国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院小児科
  • 矢内 貴憲
    国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院小児科
  • 小笹 浩二
    国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院小児科
  • 森 里美
    神奈川県立こども医療センターアレルギー科
  • 栗原 和幸
    神奈川県立こども医療センターアレルギー科

書誌事項

タイトル別名
  • THE CASE OF A 14-YEAR-OLD BOY WHO EXPERIENCED ANAPHYLAXIS DUE TO JELLYFISH (<i>MASTIGIAS PAPUA</i>) INGESTION
  • 症例報告 タコクラゲ摂取によりアナフィラキシーを起こした14歳男児例
  • ショウレイ ホウコク タコクラゲ セッシュ ニ ヨリ アナフィラキシー オ オコシタ 14サイ ダンジレイ

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説明

<p>症例は14歳男児.クラゲ刺傷の既往はなく,これまで半年に1回の頻度でクラゲを摂取していた.市販のタコクラゲ(約100g)を摂取して5分後に嘔気,喘鳴,紅斑が出現し,当院を受診した.アナフィラキシーと判断して,アドレナリンの筋肉注射,気管支拡張薬の吸入等の処置を行った.後日施行したタコクラゲの経口負荷試験によって,紅斑,喘鳴,嘔気,腹痛が出現し,クラゲによるアナフィラキシーと診断した.クラゲの経口摂取によるアナフィラキシー症例の報告は稀で,アレルゲンもほとんど解析されていない.本症例ではクラゲ刺傷の既往がなく,ポリガンマグルタミン酸(poly-gamma-glutamic acid:PGA)のプリックテストも陰性であった.そのためクラゲアレルギーの発症機序は,クラゲ刺傷によりPGAに感作されて発症する納豆による遅発性アナフィラキシーとは異なると考えられた.また,数種類の食用クラゲを用いたprick to prick testの結果,クラゲの種類によりアレルゲン性が異なることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 66 (6), 809-812, 2017

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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