児童のフッ化物洗口実施状況に関連した要因に関する研究

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タイトル別名
  • Examination of Factors Related to Participation in a School-based Fluoride Mouth Rinsing Program for Children
  • ジドウ ノ フッカブツ センコウ ジッシ ジョウキョウ ニ カンレンシタ ヨウイン ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

フッ化物洗口がう蝕予防に最大の効果を発揮するには,適切な年齢に継続して行うことが重要である.小学校高学年(4,5,6年生)は自律的道徳観が芽生える時期にあたり,洗口の実施にも児童本人の意欲が影響すると考えられる.そこで,高学年児童のフッ化物洗口に関する情報および実施の現状を調査した.さらに,実施状況の教育による改善を検討した.対象は2003年度から2005年度の,A,B2地区からなる某町全小学校6校(全児童数約660名)の高学年児童である.調査は自記式質問紙にて行った.フッ化物洗口は町内の全保育園・幼稚園ならびに小中学校において行われている.B地区はA地区と比べ,フッ化物洗口の効果に関する教育を児童に対して積極的に行っている.2003年度のA,B地区全4〜6年生341名のフッ化物洗口実施状況は,[毎回する]ものが61.1%であった.洗口実施状況と有意な関連がみられた項目は「学校」「学年」「朝の歯みがき」「昼の歯みがき」「フッ化物洗口のむし歯予防効果」の5つであった.2003年度4年生ならびに5年生,2004年度4年生の経年変化を確認したところ,A地区では悪化した者が多かったが,B地区では改善した者が多い傾向があった.対象とした小学校高学年児童のうち,フッ化物洗口を[毎回する]者は約60%にすぎなかったが,児童への教育により洗口実施率が改善することが示唆された.

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