比率分析による日本人正常咬合者の軟組織側貌評価について

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  • An Evaluation of Soft Tissue Facial Profile in Japanese Young Adults with Normal Occlusion Using Proportional Analysis

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抄録

Lundstromらは自然頭位による軟組織側貌分析を考案し,スウェーデン人正常咬合者の基準値を報告している。本研究では同様の方法による日本人正常咬合者の基準値を知ることを目的とした。矯正治療既往のない大学生(男子21名,女子18名,平均年齢23.4歳)の側貌写真から11の指数値(水平成分:8,垂直成分:2,水平/垂直:1)を計測した。性差及びスウェーデン人との人種差をそれぞれの指数について検討し,6指数についてはアメリカ白人女子との人種差も検討を行った。この結果,5つの指数(No. 1, 2, 3, 6, 7)について性差が認められ,男子の方が女子より2〜10ポイント高かった。また6つの指数(No. 2, 3, 6, 7, 8, 11)について人種差が認められ,No. 6及び11を除く全てが3〜6ポイント日本人男子の方がスウェーデン男子より高かった。一方,女子では5つの指数(No. 1, 2, 3, 6, 7)について人種差が認められ,4から10ポイント日本人の方が低かった。従って日本人男子はより前方位の鼻,上下顎,オトガイ及びより輪郭の明確なオトガイを有する傾向がみられた。しかし日本人とスウェーデン人との比較では男子と女子に現れた人種差に共通した特徴は認められなかった。また日本人女子はスウェーデン人及びアメリカ白人に比べてよリ後方位で輪郭の明確でないオトガイを有していた。これらから軟組織側貌による重篤度判定にはこれらの性差や人種差を考慮した重み付けがなされることが望ましいと考えられる。

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