社会的ひきこもり者の歯科保健医療に関する検討 : ひきこもり者に対する質問紙調査の結果から

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タイトル別名
  • Development of a Dental Health Care Program for Socially Withdrawn People : The Results of a Qu estionnaire Survey
  • シャカイテキ ヒキコモリ シャ ノ シカ ホケン イリョウ ニ カンスル ケントウ : ヒキコモリ シャ ニ タイスル シツモンシ チョウサ ノ ケッカ カラ

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抄録

 ひきこもり者の支援イベント参加者,支援団体が開設する「居場所」利用者133名(ひきこもり者75名を含む)を対象として,質問紙調査を実施し,ひきこもりと歯科疾患との関連性や支援活動の必要性について検討した.また,歯科受診がひきこもり者のストレスとならないかを検討するため,「居場所」で口腔診査前後,歯科保健指導後に簡易唾液アミラーゼ活性測定法による緊張度評価を実施し(「居場所」利用者19名を対象),その影響の有無について検討した.<br> その結果,ひきこもり者の66%が「歯が痛む・しみる」と回答した.「居場所」での口腔診査の結果からも,ひきこもりはう蝕等の歯科疾患のリスクを高めることが示唆された.<br> ひきこもりの長期化が歯・口の健康に影響すると回答した者は,ひきこもり者群で77%,家族・支援者群では88%を占め,その影響を危惧する者が多く,歯科領域からの支援をひきこもり者の80%の者が必要と回答していた.<br> 歯科受診が,ひきこもりの改善に寄与すると回答したひきこもり者は71%あり,在宅歯科診療での受診も60%のひきこもり者が,必要な場合に利用したいとの回答だった.<br> 唾液アミラーゼ活性の測定結果では,診査後,指導後とも測定値の有意な上昇は認められず,歯科受診がひきこもり者のストレスとなる可能性は低いと考えられた.

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