歯周疾患に関する多元的調査法の研究 I : 尺度構成と質問紙の作成

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  • A Multi-Factorial Survey of Periodontal Disease I : Composition of Scales and Making a Dental Health Inventory

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抄録

歯周疾患の発生や進行には,多くの要因が関連しており,診断及び保健指導では常にその多要因性を考慮する必要がある。そこで,多元的尺度構成を持ち,計量診断や保健指導にも有用な歯周疾患に関する質問紙の作成を目的として,約2,200人の成人集団を対象に,質問紙において構成される尺度及び相互の関連性についての統計学的な検討をした。設定された歯列疾患の症状や原因に関する95の質問項目について因子分析(バリマツクス回転)を用い因子の抽出と意味付けを繰り返し行った結果,「口腔内症状」「歯科保健行動」「食生活」「生活習慣」「全身的健康」「不安・緊張」の6つの因子が抽出された。これらの6つの因子は,各々に集約性が高く,質問紙の中に構成される尺度としての条件を満足していた。そこで,最終的な質問紙は各尺度8項目の6尺度,計48項目とした。さらに,各尺度点数の分布を調べた結果,正規分布あるいはポアソン分布を示しており,各尺度から構成される標準位置に対する多元的な個人のプロフィールを観察できることが示された。今後,各尺度と実際の臨床的歯周疾患との関連性を統計学的に検討することにより,多元的要因を考慮した歯周疾患に関する質問紙を用いた計量診断の可能性が示唆された。

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