65歳以上高齢者における全身状態と口腔健康状態の関連 : 特定高齢者判定項目から

  • 葭原 明弘
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野
  • 高野 尚子
    新潟大学医歯学総合病院口腔保健科予防歯科診療室
  • 宮崎 秀夫
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationship between Oral Status and General Health in Subjects Older than 65 According to Selected Items
  • 65サイ イジョウ コウレイシャ ニ オケル ゼンシン ジョウタイ ト コウクウ ケンコウ ジョウタイ ノ カンレン トクテイ コウレイシャ ハンテイ コウモク カラ

この論文をさがす

抄録

近年,介護予防事業の重要性が認識されてきている.本調査の目的は,65歳以上を対象とした特定高齢者の判定項目における口腔の情報と他の情報との関連を整理し,今後の事業展開における基礎情報を提供することである.65歳以上の住民で基本健診の全受診者,852名を分析対象とした.質問紙法により,全身的な健康状態に関する,生活機能,運動機能,栄養,閉じこもり,認知症,うつ,および口腔症状に関連する,「食べにくくなった」「むせる」「口が渇く」について,全25項目の情報を得た.それぞれの要因について,質問に対し身体状態に課題が認められる方向の回答に対し1点,その他の回答を0点を与えた.その後,生活機能,運動機能,栄養,閉じこもり,認知症およびうつについて合計点数を算定し,口腔症状との関連性を評価した.これら全身状態に関する6要因のいずれにおいても,「食べにくくなった」「むせる」「口が渇く」の症状のある人のほうが点数が高かった.特にうつ,および認知症に関する要因については,平均値の差はいずれの口腔症状についても統計学的に有意であった.本調査より,口腔に関連する症状は,生活機能,運動機能,栄養,閉じこもり,認知症,およびうつと関連していることが明らかになった.

収録刊行物

被引用文献 (7)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ